はしか(麻疹)・風疹混合の予防接種

予防する病気
はしかと風疹を予防します。

はしかは、麻疹ウイルスが、せきやくしゃみなどによって人から人へと感染する病気です。感染して10~12日の潜伏期間のあと発熱、せき、鼻みずなど、かぜのような症状ではじまります。38度前後の熱は2~3日続き、1度下がったあと、再び39度~40度の高熱になり、全身に小さい赤い発疹が広がります。
はしかは重い病気で、気管支炎や肺炎、中耳炎、結膜炎、脳炎などの合併症を起こすことがあり、現在日本でも年間10~50人もの子どもが、はしかで命を落としています。たとえ治ったとしても、まひなどの後遺症を残すことがあります。また、はしかにかかって軽くすんだとしても、数年後にけいれんや知能障害が進行する、亜急性硬化性全脳炎を起こすケースが毎年10例くらいみられます。はしかは予防接種をして、未然に防ぎたい病気です。


風疹は、風疹ウイルスの飛沫感染によって起こります。2~3週間の潜伏期間のあと、軽い発熱と発疹がみられます。「三日ばしか」と呼ばれるように、症状は3~4日でおさまるのがふつうです。
まれな合併症として、血小板減少性紫斑病、脳炎などがあります。また、妊婦が妊娠4か月ごろまでに感染すると、白内障や聴力障害をもつ先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性が高くなります。
ワクチンの種類
生ワクチンを上腕に皮下注射します。
従来の麻疹 (Measles)・風疹 (Rubella) ワクチンを混合したワクチンであることから、MRワクチンと呼ばれます。
理想の接種年齢
定期接種では第1期が1歳以上2歳未満の間に1回の接種になっていますが、実際にはしかは、1~2歳でかかる子が多く、1歳6ヶ月までに約40%がかかっています。1歳になったらできるだけ早く、おそくとも2歳までには受けるのが理想的です。また、近所で流行したときも、早めに受けます。
第2期は5歳以上7歳未満で、小学校入学前年度1年間(小学校入学の前の年の4月1日~入学する年の3月31日)に1回接種します。
一方風疹は、2~3歳でかかる子が急にふえるので、こちらも2歳までに受けておきましょう。以前風疹の予防接種は、中学2年生の女子のみに行われていました(平成15年9月30日で終了。昭和62年10月1日以前に生まれた子どものみ対象)が、現在では、1歳~7歳未満(男女とも)が対象になりました。
副反応
接種後1~2週間のあいだに37.5度~38.5度くらいの発熱や発疹など、軽いはしかにかかったような症状がでることがあります。これは約2割の子にみられますが、ふつう2~3日で自然に治ります。これらの副反応の症状は、他の子に感染することはありません。ごくまれにですが、熱性けいれんや、リンパ節のはれ、本物のはしかにかかったときのように、中耳炎や肺炎などの合併症を起こすことがあります。また脳炎を起こす割合は100万人~150万人に1人程度です。気になる症状がみられたときは、小児科を受診してください。
熱性けいれんを起こしたことがある子は医師と相談しましょう
副反応として熱がでることもあり、過去に熱性けいれんを起こしたことがある場合は、医師と相談したうえで接種します。接種後、発熱したときの対処法の指示も受けておきます。
卵アレルギーの子は医師と相談
麻疹ワクチンは、鶏の卵を利用してつくられていますが、含まれる量はごく微量です。卵を食べてアトピー性皮膚炎になるという程度では、基本的には接種してもだいじょうぶです。あまり神経質になることはありませんが、心配なときは、アレルギーと診断した医師に相談してください。また、ワクチンには抗生物質も使われています。抗生物質に敏感な体質の子も主治医に相談して下さい。
麻疹ワクチンは副反応が強い?
はしかは、それ自体が重い症状をもたらす病気なので、やはりワクチンも強いものを使います。そのため、ほかの予防接種のワクチンとくらべると熱が出やすいかもしれません。しかし、逆に「熱が出る」ということは、確実に免疫がついたという証拠なのです。
副反応をおそれて予防接種を受けないではしかに感染することのほうが、子どもの体に大きな影響を及ぼします。とくに、弱毒化したワクチンで症状がでる子どもこそ、本物のはしかにかかると重症になるおそれがあります。
接種は、子どもの体調のよいときを選んで受けるようにしましょう。また連休や夏休み、お正月休みなどで、病院が休診になる時期は、念のため接種は避けたほうがよいでしょう。
上の子がはしかに感染したら下の子に予防接種すべき?
はしかにかかると、発疹が現れる数日前からウイルスをだしているので、診断された段階で、すでに下の子に感染して数日たっています。もう予防接種は間に合いません。この場合、感染後4日以内にガンマーグロブリンという血液製剤を注射すると、症状がでないですむか、かかっても軽くすませることができます。
ただ、ガンマーグロブリンは予防接種ではないので、その効果は一時的です。注射後、3ヶ月以降にかならず、はしかの予防接種を受けて下さい。
1歳前に保育園に入園したけど予防接種すべき?
はしかは、母体から免疫をもらうため、あまり月齢の低い赤ちゃんは接種を受けても無駄になることがあります。1歳前に予防接種を受けるなら、母体からの免疫が少なくなってくる生後9ヶ月~10ヶ月が適当でしょう。
はしか・風疹混合の予防接種は、自費であれば生後9ヶ月ごろから受けることができます。はしかは感染力が強く、かかるとこわい病気です。保育園や幼稚園などの集団生活に入れる場合や、はしかの流行期なら、早めに接種をしておくほうが安心です。病院によっては早めの接種を推奨しているところもあります。
ただ、1歳前に接種を受けても、まだ母体からの免疫が残っていると、抗体ができないことがあります。接種後1ヶ月以上たってから抗体検査をしたほうがよいでしょう。いずれにしても念のため、1歳をすぎたらもう一度予防接種を受けておきましょう。
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