三種混合(DPT)の予防接種

予防する病気
ジフテリア、百日ぜき、破傷風を予防します。

◎ジフテリア
ジフテリア菌が、のどや鼻の粘膜に感染して起こります。38度以上の高熱やのどの痛み、嘔吐などの症状がみられます。悪化すると、菌のだす毒素で心筋障害や呼吸困難、神経まひを引き起こし、死亡することもある重い病気です。
現在は予防接種の成果で、日本ではほとんどみられなくなりました。

◎百日ぜき
百日ぜき菌の飛沫感染によって起こります。
かぜのような症状ではじまりますが、はげしいせき込みと、息を吸い込むときの「ヒュー」と笛を吹くような独特な音が特徴です。

大人も子どももかかる病気ですが、とくに0歳児の場合は、せきがはげしいため、呼吸困難になり、チアノーゼやけいれんを起こしたり、肺炎や脳炎などの重い合併症を引き起こすこともあります。
年齢が低いほど症状が重く、死亡率も高くなります。

◎破傷風
けがをしたとき、土の中にいる破傷風菌が、傷口から侵入して起こります。菌のだす毒素が中枢神経をおかすため、口が開かなくなったり、けいれんや手足の硬直が起こります。発病した人の2割が死亡するというこわい病気です。
この菌は、日本じゅうどこにでもいますし、刺し傷などで感染するケースも多いもの。ゆだんできません。
ワクチンの種類
ジフテリア菌と破傷風菌が発生する毒素を抽出して無毒化した「トキソイド」と、百日ぜきの病原体を殺して、免疫成分だけを抽出した「不活化ワクチン」を混ぜ合わせたものです。上腕に皮下注射します。
理想の接種年齢
Ⅰ期とⅡ期、両方合わせて合計5回接種します。
◎I期
合計4回接種します。まず、生後3か月~I歳半までに、3~8週間の間隔で3回接種。その後、1年~1年半後に追加接種をI回受けます。
接種の通知が送られてくる年齢は、地域の事情により、この時期より多少異なるかもしれません。
百日ぜきは、母体から免疫をもらえないため、生まれてすぐの赤ちゃんでもかかります。月齢が低いほど重症になるので、できるだけ早く接種するのが理想的です。百日ぜきは、周期的に流行がみられるので、早めにすませておくと、いつ流行しても安心です。
また、外遊びが活発になると、破傷風の心配もでてきます。赤ちゃんが歩きはじめる前に接種をすませましょう。

◎Ⅱ期
小学校6年生のときに二種混合(DT)のジフテリアと破傷風のワクチンを1回接種します
副反応
接種したあとがはれたり、赤いしこりになることがあります。この反応は、Ⅰ期1回めのあと100人中約20人に、3回めのあと100人中40~50人にみられますが、これは免疫がついている証拠で心配ありません。はれやしこりはふつう数日で治り、しこりはまれに数か月残ることもありますが、これも自然に消えていきます。
また、ごくまれに接種後6~24時間のあいたに、37・5度以上の熱がでることがありますが、これも心配する必要はありません。
上腕全体がはれたり、痛みがひどいとき、ぐずぐずきげんが悪いときは小児科を受診します。
すでに百日ぜきにかかってしまったら二種混合にする
百日ぜきは一度かかると、免疫力がつきますから、接種前にかかったのであれば、もう百日ぜきのワクチンを接種する必要はありません。百日ぜきワクチンだけを除いた二種混合(DT)のジフテリアと破傷風のワクチンを接種しましょう。
二種混合ワクチンは、4~6週間の間隔で2回接種し、その後1年~1年半後に1回追加接種をします。三種混合より接種回数が1回少なくなります。
生ワクチン接種後、4週間以内は接種できません
生ワクチン(BCG、ポリオ、はしか、風疹、おたふくかぜ、水ばうそう)の予防接種をしたあとに、三種混合あるいは二種混合の予防接種を受ける場合は、4週間以上間隔をあけなければなりません。
第一の理由は、生ワクチンの副反応が現れるのは4週間以内なので、もし、副反応がでたとき、どちらのワクチンが原因なのか判別できなくなるからです。また、体内に入ったワクチンどうしが、お互いに干渉し合って、免疫がうまくつかないことがあるからです。
5回も接種するのはなぜ?
三種混合のワクチンは、殺した病原体の成分からつくったもので、これは、毒性を弱めた病原体を生きたまま使う生ワクチンにくらべて、免疫力が弱くなります。つまり、1回の接種だけでは、十分な免疫がつくられず、そのうえ時間がたつと、徐々に免疫力が低下してきます。そのため、病気を予防するためには何度か追加接種をして免疫を確実につけなければならないのです。
3種類のワクチンを一度に接種すると副反応がでやすい?
3種類を混ぜたからといって、子どもの体に負担がかかったり、副反応が強くでる心配はありません。また、ワクチンの効果に問題が生じることもありません。実際、外国では、一度に5種類以上のワクチンを接種しています。
同時に3種類接種するのは、別々にするより、接種を受ける人の負担を減らすためです。
むしろ、3つの病気の接種を別々に受けると、子どもは何度も痛い思いをしなくてはなりませんし、そのたびに、お母さんは副反応の心配をすることになります。
回数を追うごとに、はれがひどくなるのはなぜ?
三種混合の副反応は1回めよりも2回め、2回めよりも3回めのほうがはれが強くなる傾向があります。しかしそのあと、はれが自然に引いたのなら心配いりません。病気に対する免疫をしっかりつけるために必要なステップと考えてください。
しかし、あまりにはれが強い場合は、ワクチンの量や回数を減らすこともあります。かかりつけの医師に相談しましょう。
はれがひどいときは、冷たくしたタオルなどで冷やすとおさまります。はれに加えて痛みがあるようなときは、細菌感染を起こしている可能性があるので、小児科を受診します。
I期1回めと2回めの接種のあいだが8週間以上あいてしまったら?
何度も接種するのは、免疫をより確実につけるためです。最初から受け直す必要はありませんが、できるだけ早く2回めを受けましょう。
また、2回めと3回めは、3~8週間の間隔で、あまりあいだをあけないで接種します。
I期の2回めの接種から8週間以上あいてしまいました。3回めは?
最初から受け直す必要はありません。原則として、2回めの接種から半年以内であれば、できるだけ早く3回めを受けてください。
しかし、半年以上経過してしまった場合は、I期の3回は完了したと考えて3回めをとばして、2回めの接種から1年~1年半後に追加接種を1回受けてかまいません。
I期の追加接種が1年半以上あいてしまったら?
最初の3回の接種で、免疫はかなりついているので、最初から受け直す必要はありません。
免疫力を高めて病気を予防するためには、接種間隔を守るのが原則ですが、追加接種の場合は、7歳半までに受ければだいじょうぶです。
接種前にけがをしてしまったが?
破傷風菌は、酸素のあるところでは増殖しないので、すり傷のような浅い表面的なけがの場合は、心配ないでしょう。
なお、三種混合をすでに2回接種していれば、ある程度免疫がついているので、破傷風に感染する心配はありません。
しかし、三種混合をまったく接種していない、あるいは1回しか接種をしていないときに、古クギや竹やぶの竹などをふんだ場合、傷が深いので感染する可能性があります。
小児科を受診してください。
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はしか(麻疹)・風疹混合の予防接種

予防する病気
はしかと風疹を予防します。

はしかは、麻疹ウイルスが、せきやくしゃみなどによって人から人へと感染する病気です。感染して10~12日の潜伏期間のあと発熱、せき、鼻みずなど、かぜのような症状ではじまります。38度前後の熱は2~3日続き、1度下がったあと、再び39度~40度の高熱になり、全身に小さい赤い発疹が広がります。
はしかは重い病気で、気管支炎や肺炎、中耳炎、結膜炎、脳炎などの合併症を起こすことがあり、現在日本でも年間10~50人もの子どもが、はしかで命を落としています。たとえ治ったとしても、まひなどの後遺症を残すことがあります。また、はしかにかかって軽くすんだとしても、数年後にけいれんや知能障害が進行する、亜急性硬化性全脳炎を起こすケースが毎年10例くらいみられます。はしかは予防接種をして、未然に防ぎたい病気です。


風疹は、風疹ウイルスの飛沫感染によって起こります。2~3週間の潜伏期間のあと、軽い発熱と発疹がみられます。「三日ばしか」と呼ばれるように、症状は3~4日でおさまるのがふつうです。
まれな合併症として、血小板減少性紫斑病、脳炎などがあります。また、妊婦が妊娠4か月ごろまでに感染すると、白内障や聴力障害をもつ先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性が高くなります。
ワクチンの種類
生ワクチンを上腕に皮下注射します。
従来の麻疹 (Measles)・風疹 (Rubella) ワクチンを混合したワクチンであることから、MRワクチンと呼ばれます。
理想の接種年齢
定期接種では第1期が1歳以上2歳未満の間に1回の接種になっていますが、実際にはしかは、1~2歳でかかる子が多く、1歳6ヶ月までに約40%がかかっています。1歳になったらできるだけ早く、おそくとも2歳までには受けるのが理想的です。また、近所で流行したときも、早めに受けます。
第2期は5歳以上7歳未満で、小学校入学前年度1年間(小学校入学の前の年の4月1日~入学する年の3月31日)に1回接種します。
一方風疹は、2~3歳でかかる子が急にふえるので、こちらも2歳までに受けておきましょう。以前風疹の予防接種は、中学2年生の女子のみに行われていました(平成15年9月30日で終了。昭和62年10月1日以前に生まれた子どものみ対象)が、現在では、1歳~7歳未満(男女とも)が対象になりました。
副反応
接種後1~2週間のあいだに37.5度~38.5度くらいの発熱や発疹など、軽いはしかにかかったような症状がでることがあります。これは約2割の子にみられますが、ふつう2~3日で自然に治ります。これらの副反応の症状は、他の子に感染することはありません。ごくまれにですが、熱性けいれんや、リンパ節のはれ、本物のはしかにかかったときのように、中耳炎や肺炎などの合併症を起こすことがあります。また脳炎を起こす割合は100万人~150万人に1人程度です。気になる症状がみられたときは、小児科を受診してください。
熱性けいれんを起こしたことがある子は医師と相談しましょう
副反応として熱がでることもあり、過去に熱性けいれんを起こしたことがある場合は、医師と相談したうえで接種します。接種後、発熱したときの対処法の指示も受けておきます。
卵アレルギーの子は医師と相談
麻疹ワクチンは、鶏の卵を利用してつくられていますが、含まれる量はごく微量です。卵を食べてアトピー性皮膚炎になるという程度では、基本的には接種してもだいじょうぶです。あまり神経質になることはありませんが、心配なときは、アレルギーと診断した医師に相談してください。また、ワクチンには抗生物質も使われています。抗生物質に敏感な体質の子も主治医に相談して下さい。
麻疹ワクチンは副反応が強い?
はしかは、それ自体が重い症状をもたらす病気なので、やはりワクチンも強いものを使います。そのため、ほかの予防接種のワクチンとくらべると熱が出やすいかもしれません。しかし、逆に「熱が出る」ということは、確実に免疫がついたという証拠なのです。
副反応をおそれて予防接種を受けないではしかに感染することのほうが、子どもの体に大きな影響を及ぼします。とくに、弱毒化したワクチンで症状がでる子どもこそ、本物のはしかにかかると重症になるおそれがあります。
接種は、子どもの体調のよいときを選んで受けるようにしましょう。また連休や夏休み、お正月休みなどで、病院が休診になる時期は、念のため接種は避けたほうがよいでしょう。
上の子がはしかに感染したら下の子に予防接種すべき?
はしかにかかると、発疹が現れる数日前からウイルスをだしているので、診断された段階で、すでに下の子に感染して数日たっています。もう予防接種は間に合いません。この場合、感染後4日以内にガンマーグロブリンという血液製剤を注射すると、症状がでないですむか、かかっても軽くすませることができます。
ただ、ガンマーグロブリンは予防接種ではないので、その効果は一時的です。注射後、3ヶ月以降にかならず、はしかの予防接種を受けて下さい。
1歳前に保育園に入園したけど予防接種すべき?
はしかは、母体から免疫をもらうため、あまり月齢の低い赤ちゃんは接種を受けても無駄になることがあります。1歳前に予防接種を受けるなら、母体からの免疫が少なくなってくる生後9ヶ月~10ヶ月が適当でしょう。
はしか・風疹混合の予防接種は、自費であれば生後9ヶ月ごろから受けることができます。はしかは感染力が強く、かかるとこわい病気です。保育園や幼稚園などの集団生活に入れる場合や、はしかの流行期なら、早めに接種をしておくほうが安心です。病院によっては早めの接種を推奨しているところもあります。
ただ、1歳前に接種を受けても、まだ母体からの免疫が残っていると、抗体ができないことがあります。接種後1ヶ月以上たってから抗体検査をしたほうがよいでしょう。いずれにしても念のため、1歳をすぎたらもう一度予防接種を受けておきましょう。
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ポリオの予防接種

予防する病気
ポリオ(急性灰白髄炎)を予防します。ポリオは、ポリオウイルスによる感染症です。感染した人の便の中に排泄されたウイルスが口から入り、腸に感染して発病します。発病しても多くの人は発熱、のどの痛み、下痢などかぜの症状だけですみますが、約1000人~2000人に一人の割合で、手足にまひを残したり、呼吸困難で死亡する人もいます。日本では予防接種の普及で、現在、流行はありませんが、南アジアやアフリカでは、まだ流行しているため、安心はできません。
ワクチンの種類
飲むタイプの生ワクチンで、スポイトで飲ませます。ワクチンには、ポリオの原因になる3種類のポリオウイルスを弱毒化したものが含まれています。
最近は不活化ワクチンという注射のタイプがあります。
厚生労働省によると、「不活化ポリオワクチンへの円滑な移行に関する検討会」を設置し、移行の方法などの検討を始めており、不活化ポリオワクチンの導入は、可能な限り迅速に行うとし、早くても2012(平成24)年度の終わり頃には導入する予定とのことです。不活化ワクチンの詳細は後述します。
理想の接種年齢
生ワクチンの場合、生後3~90ヶ月までに2回飲みます。めやすとしては、1回目は生後4~6ヶ月、2回目は1歳6ヶ月ごろまでが標準です。1回目と2回目の接種間隔は、確実に免疫がつくように最低6週間以上あけます。
副反応
ワクチンは弱毒化された安全なものですが、腸内でワクチンウイルスが増殖するときに、突然強いウイルスに変わることがあります。そのため、ウイルスが脊髄に侵入して手足にまひが起こることがあります。その数は約50万人に1人程度で、きわめてまれですが、生ワクチンを飲んだ人だけでなく、保護者など周りの人にも影響があることもあり、日本と同じように野生のポリオウイルスの流行していない国々では、ワクチンによる小児まひを防ぐために、1990年代後半から経口生ワクチンを不活化ワクチンに切り替えてきました。日本でも先に述べたように不活化ワクチンへ切り替える予定があります。
不活化ポリオワクチン
不活化ポリオワクチンは値段が高いですが、ワクチンによる小児まひが絶対に起こらないとされています。
生ワクチンによる万一の副反応を考え、不活化ポリオワクチンの導入まで、ポリオワクチンの接種を待っていた方がいいと考える方もいるようですが、おすすめできません。ポリオワクチンを接種せずに様子をみる人が増えると、免疫をもたない人が増え、国内でポリオの流行が起こってしまう可能性が増加します。ポリオ流行のない社会を保つためには、ワクチンの接種が必要です。どうしても不活化ワクチンが良いという場合は、海外から個人輸入している一部の医療機関では有料で接種が可能です。詳しくは接種医にご相談しましょう。
生ワクチンは下痢のときは受けられない
ポリオウイルスは、腸の中で増殖して免疫をつくります。人間の腸では、同時に二種類のウイルスが増殖することは困難です。そのため、下痢をしていると、下痢の原因となっているウイルスがじゃまをして、ポリオウイルスが下痢便といっしょに体の外にでてしまい、免疫がつかないことがあります。下痢のときは見合わせましょう。
しかし、日頃から便がやわらかい子どもの場合、接種当日も普段と同じようにきげんがよく、体調がかわりなければ接種できます。
不活化ポリオワクチンでは、ポリオワクチンで注意が必要な、接種後にウイルスが便に出ることはありません。
接種後に下痢をしたら?
生ワクチンの場合、接種直後に、ひどい下痢をした場合は、下痢を引き起こした病気の種類によっては、免疫がついていないこともあります。会場の医師に相談して、飲み直すかどうかを判断してもらいましょう。接種後30分いじょうたってから下痢をしたときは、ワクチンは、のどの粘膜や腸から吸収されているので、飲み直す必要はありません。
接種した子どもの便から感染?
ポリオワクチンの予防接種をすると、ワクチンのウイルスが便に混じって排泄されます。そのときごくまれに、弱毒化されたはずのワクチンウイルスが元に戻って強力になり、免疫のない家族などに感染することがあります。日本では、1年に1例くらいの頻度で感染し、まひを起こすことがあります。
念のため接種後1ヶ月くらいは、子どもの便の始末のあと、石鹸を使って手をよく洗うようにしましょう。
なお、布おむつなどを使用している場合、洗濯はいつもどおりでかまいません。ポリオウイルスは熱に弱いので、日光にあてて乾燥させれば大丈夫です。
生ワクチンは吐くことにも注意
せきがひどいと、ワクチンが腸にたどり着く前にせき込んで吐いてしまうことがあります。しっかり免疫をつけるためにも、つぎの機会にしましょう。また、ミルクを飲むと、げっぷと同時に吐いてしまうことがあります。接種の前後30分は飲食はやめておきましょう。
また接種後すぐに指しゃぶりをしたり、おしゃぶりを与えると、やはりげっぷや嘔吐の原因になることもあります。おもちゃなどで気をそらせてあげましょう。
不活化ポリオワクチンでは注射なのでこのような心配はありません。
接種後吐いてしまったら?
生ワクチンの場合、1回に飲む量は0.05mlで、この3分の1くらいでも、腸に入っていれば効果はあります。しかし、接種後30分以内に吐いてしまったときは、効果を確実にするために、もう一度飲み直します。会場の医師に申し出るようにしましょう。飲んで30分もたっていれば、ある程度は吸収されているので、あらためて飲む必要はないでしょう。
また、接種後によだれをたらしたくらいで、ワクチンが流れでてしまうことはなく、効果にかわりはありません。
生ワクチンはなぜ2回接種するの?
ポリオのウイルスはⅠ、Ⅱ、Ⅲ型があり、ワクチンにもこのⅢ種類の弱毒化したウイルスが含まれています。Ⅰ回だけの接種では、3種類すべての免疫がつきにくいため、2回の接種で、すべての免疫を確実につけるようにしています。外国では、さらに効果を高めるため3回以上が標準接種回数になっているところもあります。
2回目の接種との間隔
ポリオワクチンを2回接種するのは、3つの型の免疫をしっかりつけるためです。たとえ間隔が何年あいても、生後90ヶ月のあいだまでに2回受ければ問題ありません。最初からやり直す必要はありません。かならず2回受けて下さい。
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BCG(結核の予防接種)

予防する病気
結核を予防します。結核は結核菌が気道から侵入して肺に感染する病気で、せきと熱が続き、呼吸困難を起こし、全身状態を悪化させます。
結核に対する免疫は、母体から十分もらうことができないので、生まれたばかりの赤ちゃんでもうつります。ときに2歳以下の子どもが感染すると、菌が全身にまわりやすく、結核性髄膜炎や粟粒結核を起こして重症化しがちです。死亡したり、後遺症が残ることが多いので、油断できません。
ワクチンの種類
弱めた結核菌をスタンプで皮膚に植えつける生ワクチンです。上腕の2ヶ所に接種します。
理想の接種年齢
以前は、まず、結核菌に感染しているかどうかを判定するためのツベルクリン反応(ツ反)注射を受けていましたが、平成17年4月からは、結核予防法の改正により、乳幼児期の重症結核などを早期に予防する観点から対象年齢が生後6カ月未満に引き下げられ、ツベルクリン反応検査は行わず、直接BCGを接種することになりました。
(以前は、2日後に注射のあとの赤い反応部分の直径が9mm以下なら陰性、10mm以上なら陽性と判定され、陰性(結核に感染したことがない)の場合のみ接種を受け、接種は生後4歳までの早い時期に1回、その後、ツ反注射を小学1年生、中学1年生で受け、再度陰性の場合はBCGを追加接種していました)
副反応
接種後2週間から2ヶ月のあいだに接種したあとが赤く腫れたり、膿んでジクジクすることがあります。これは、接種部分で増えたBCG菌と体の白血球が闘って免疫をつけようとしている証拠。放っておいても多くは自然に治ります。また、接種した腕のわきの下のリンパ節がはれることがありますが、これも免疫反応なので、半年くらで自然に消えていきます。
化膿がひどくて、接種あとがくずれてきたり、リンパ節のはれが大きくなったり、なかなかはれが惹かない時は、小児科医を受診します。
湿疹がひどいときは接種は控えましょう
BCGは、皮膚に小さい傷をつけて、ワクチンを植え込みます。そのため、接種部位の近くの皮膚が、アトピー性皮膚炎や虫刺されなどで、ひどくただれたり傷がついていると、そこにもワクチンが入ってしまい、湿疹が悪化します。皮膚の状態が健康でないときは見合わせたほうがいいでしょう。
ただ、肌がカサカサしている程度の軽い湿疹なら接種できます。また、左腕か右腕か、湿疹のひどくないほうを選んで接種します。
袖のたくし上げやすい服装で
接種する部位は、肘より上です。袖のたくし上げやすい洋服か、半袖やノースリーブの洋服の上に、簡単に脱がせられる上着を着せていきましょう。
接種のあとは自然に乾燥させる
接種後は、ワクチンが服につかないように、腕をだしたままにして自然乾燥させます。口でフーフー吹いたり、日光にあてたり、こすったりしないようにしましょう。
なお、接種後30分たてば、入浴できますし、石鹸を使用しても構いません。しかし、接種のあとをごしごしこすらないように注意します。
スタンプ痕がついていないときは?
スタンプ痕は、接種後3週間から1ヶ月後に、赤いポツポツが9個ずつ2ヶ所、合計18個できてきます。その数が3分の2の12個以上ついていれば、効果は望めます。
スタンプ痕が12個未満、あるいはまったくついていない場合は、免疫ができていない可能性があります。
BCG接種は夏は避ける?
BCGは接種後、3週間から1ヶ月で、スタンプ痕が赤くはれて膿をもち、それが、かさぶたになって治っていきます。膿んでジクジクしているときは、かゆいのでかきむしったりしがちです。
とくに夏は汗をかいて皮膚が汚れやすく、ひっかいたところからばい菌が入ってとびひを引き起こすこともあります。医学的にはまったく問題はありませんが、夏のBCGは避けておくというのも、ひとつの考え方でしょう。
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