BCG(結核の予防接種)

予防する病気
結核を予防します。結核は結核菌が気道から侵入して肺に感染する病気で、せきと熱が続き、呼吸困難を起こし、全身状態を悪化させます。
結核に対する免疫は、母体から十分もらうことができないので、生まれたばかりの赤ちゃんでもうつります。ときに2歳以下の子どもが感染すると、菌が全身にまわりやすく、結核性髄膜炎や粟粒結核を起こして重症化しがちです。死亡したり、後遺症が残ることが多いので、油断できません。
ワクチンの種類
弱めた結核菌をスタンプで皮膚に植えつける生ワクチンです。上腕の2ヶ所に接種します。
理想の接種年齢
以前は、まず、結核菌に感染しているかどうかを判定するためのツベルクリン反応(ツ反)注射を受けていましたが、平成17年4月からは、結核予防法の改正により、乳幼児期の重症結核などを早期に予防する観点から対象年齢が生後6カ月未満に引き下げられ、ツベルクリン反応検査は行わず、直接BCGを接種することになりました。
(以前は、2日後に注射のあとの赤い反応部分の直径が9mm以下なら陰性、10mm以上なら陽性と判定され、陰性(結核に感染したことがない)の場合のみ接種を受け、接種は生後4歳までの早い時期に1回、その後、ツ反注射を小学1年生、中学1年生で受け、再度陰性の場合はBCGを追加接種していました)
副反応
接種後2週間から2ヶ月のあいだに接種したあとが赤く腫れたり、膿んでジクジクすることがあります。これは、接種部分で増えたBCG菌と体の白血球が闘って免疫をつけようとしている証拠。放っておいても多くは自然に治ります。また、接種した腕のわきの下のリンパ節がはれることがありますが、これも免疫反応なので、半年くらで自然に消えていきます。
化膿がひどくて、接種あとがくずれてきたり、リンパ節のはれが大きくなったり、なかなかはれが惹かない時は、小児科医を受診します。
湿疹がひどいときは接種は控えましょう
BCGは、皮膚に小さい傷をつけて、ワクチンを植え込みます。そのため、接種部位の近くの皮膚が、アトピー性皮膚炎や虫刺されなどで、ひどくただれたり傷がついていると、そこにもワクチンが入ってしまい、湿疹が悪化します。皮膚の状態が健康でないときは見合わせたほうがいいでしょう。
ただ、肌がカサカサしている程度の軽い湿疹なら接種できます。また、左腕か右腕か、湿疹のひどくないほうを選んで接種します。
袖のたくし上げやすい服装で
接種する部位は、肘より上です。袖のたくし上げやすい洋服か、半袖やノースリーブの洋服の上に、簡単に脱がせられる上着を着せていきましょう。
接種のあとは自然に乾燥させる
接種後は、ワクチンが服につかないように、腕をだしたままにして自然乾燥させます。口でフーフー吹いたり、日光にあてたり、こすったりしないようにしましょう。
なお、接種後30分たてば、入浴できますし、石鹸を使用しても構いません。しかし、接種のあとをごしごしこすらないように注意します。
スタンプ痕がついていないときは?
スタンプ痕は、接種後3週間から1ヶ月後に、赤いポツポツが9個ずつ2ヶ所、合計18個できてきます。その数が3分の2の12個以上ついていれば、効果は望めます。
スタンプ痕が12個未満、あるいはまったくついていない場合は、免疫ができていない可能性があります。
BCG接種は夏は避ける?
BCGは接種後、3週間から1ヶ月で、スタンプ痕が赤くはれて膿をもち、それが、かさぶたになって治っていきます。膿んでジクジクしているときは、かゆいのでかきむしったりしがちです。
とくに夏は汗をかいて皮膚が汚れやすく、ひっかいたところからばい菌が入ってとびひを引き起こすこともあります。医学的にはまったく問題はありませんが、夏のBCGは避けておくというのも、ひとつの考え方でしょう。
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